ウソ★スキ
今日もバスは遅れ気味だった。

昨日と同じ。
あたしはベンチに座って、その前にソラが立って。

あたしたちはしばらく黙ったまま、バスが来るのを待っていた。



「美夕、昨日はごめんな」

先に口を開いたのはソラだった。

「なんか、美夕を責めるようなことばかり言って……悪かった」

「……」

「俺、焦ってたよな。美夕のことをやっと捕まえたって思ったら、どんどん欲がでて。美夕とキラのことも考えずに、自分の気持ちだけ押しつけようとしてた」

「そんなこと──」

あたしは首を横に振った。

「そんなことないよ。あたしこそ、意気地なしで……ごめん」


ずっとあたしに背中を向けてバスが来る方向を眺めていたソラが、ゆっくりとあたしの方を振り返った。

ソラは、今まで見たことがないくらい穏やかな表情であたしを見てくれていて。

あたしは思わず泣きたくなった。


バスは、もう、すぐそこまで来ている。


「俺、こんなことで簡単に美夕とのことを終わらせるつもりないから」

「……うん」

「だから、美夕も逃げないで?」

「……うん」


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