ウソ★スキ
そして更に、ソラはあたしのことを気遣って

「美夕、大丈夫か?」

なんて言ってくれて。


「あたしは大丈夫だよ。どうして?」

「いや、やっぱりこういうのって……その……見たくないもんだろ?」

「そうだけど……2人のことは前からいろいろ知ってるし、今更いちいち驚くことでもないから」


それは精一杯の強がりだった。


こんなの見たくないって?

そんなの当たり前じゃん。
見たくなかったよ……。


だけど、あたしは素直にそう言えなくて。

その代わり、

「おかげさまで、免疫ついてるから」

イヤミに聞こえないように、冗談っぽく答える。



「そうか……」

電話の向こうから安堵の溜息が聞こえてきて、優しくあたしの耳をくすぐった。

「だったらいいんだけど、な」



……そんなわけ、ないじゃん。



「ごめん、今日はまっすぐ家に帰るわ。キラにあの写真を削除させないといけないからな……。朝話したバスで終点までっていう約束は、また今度でいい?」

そんなこと言われたら、あたしは「うん」としか答えようがない。
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