ウソ★スキ
恋人の資格
──この感覚、なんなんだろう?
──次々に起きる出来事に、感情が追いつかない。
「みんなにバレちゃった……」
これからのことを考えれば、決して落ち着いてなんていられないんだけれど。
間違いなく、あたしはホッとしていた。
もう、双子の秘密を1人で抱え込まなくていいんだって、
そう思うと体中の力が抜けてしまって。
だけど、それはどこか寂しくもあった。
だって、これであたしは双子にとって「特別な存在」ではなくなったんだから──
頭上の教室から、ガタガタって一斉に椅子が動く音が聞こえてきた。
授業の始まりの挨拶だ。
……いつの間に本鈴が鳴ったんだろう。
あたしはゆっくりと目を開けると、目の前に広がる校庭を眺めた。
この時間は体育の授業もなく、グラウンドには誰もいない。
だだっ広くて乾ききったグラウンドに強い風が吹きつけると、そのたびに砂埃がふわっと舞い上がった。
風に抵抗できずに踊らされ続ける砂埃。
それはまるで自分の姿のようだった。
──次々に起きる出来事に、感情が追いつかない。
「みんなにバレちゃった……」
これからのことを考えれば、決して落ち着いてなんていられないんだけれど。
間違いなく、あたしはホッとしていた。
もう、双子の秘密を1人で抱え込まなくていいんだって、
そう思うと体中の力が抜けてしまって。
だけど、それはどこか寂しくもあった。
だって、これであたしは双子にとって「特別な存在」ではなくなったんだから──
頭上の教室から、ガタガタって一斉に椅子が動く音が聞こえてきた。
授業の始まりの挨拶だ。
……いつの間に本鈴が鳴ったんだろう。
あたしはゆっくりと目を開けると、目の前に広がる校庭を眺めた。
この時間は体育の授業もなく、グラウンドには誰もいない。
だだっ広くて乾ききったグラウンドに強い風が吹きつけると、そのたびに砂埃がふわっと舞い上がった。
風に抵抗できずに踊らされ続ける砂埃。
それはまるで自分の姿のようだった。