ウソ★スキ



翌朝──。


あたしはよっぽど顔色が悪かったんだろう。

朝ご飯はいらないって言ってるのに、

ママはおにぎりを持って

「一口でいいから食べなさい!」

ってしつこく玄関まで追いかけて来て。

あたしは仕方なしにアルミホイルに包まれたちょっと大き目のおむすびを受け取って家を出た。



だけど、足が重い。

あたしはどうしても、このままバス停に向かう気分にはなれなかった。

このまま学校、サボっちゃおうかな。



ソラには会いたかったけれど、

騒ぎがこんなに大きくなってしまったんだから、来ないかも知れない……



容赦なくあたしの全身を照りつける朝日が、残り少なくなったあたしの体力を遠慮なく奪っていた。

団地入り口の公園まで歩いただけなのに、もう息が上がって苦しい。


──やっぱり、しんどい。


あたしはそのまま誰もいない公園へ入るとベンチに座った。



こんな重い身体で、バス停まで行き着く自信がなかった。


バスの時間までまだ余裕があるから、ここでちょっとだけ休憩して。

それからとりあえずバス停まで行ってみよう。

ソラの顔を見たら……今日はもう、それでいいや。



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