ウソ★スキ
あたしは肩で息をしながら、雲ひとつない空を見上げた。
そう。
どんなに長い夜でも、必ず朝が来るんだ──
昨日、一体自分が何時から何時まで眠ったのか全く記憶になかった。
気がつくと目を閉じて、そのまま意識が遠のく感じがして。
だけどそうやって眠りについても、すぐにどこからか知らない誰かの卑猥な笑い声が聞こえてきた。
あたしは「やめて!」っていう自分の叫び声で目を覚ました。
じっとりと、いやな汗をかいた身体が気持ち悪い。
「……夢?」
ここはあたしの部屋で、笑い声はただの空耳。
疲労と眠気からくる不快感で朦朧とした頭でようやくそれを理解すると、あたしは力なく、また目を閉じた。
昨日は一晩中、そうやって浅く短い眠りを幾度も繰り返した。
このまま終わることがないんじゃないかって思うくらい、
重くて長い夜だった。
あたしは手に持ったままのアルミホイルに包まれたおむすびを開いた。
ママってば、あたしに持たせようと思ってあわてて作ったんだろう。
白いご飯から、真っ赤な梅干が飛び出していた。
しかもこれ、かなり大きいし。
塩がきいた梅干し入りのおむすびをお茶なしに飲み込む自信はなくて、あたしはおむすびをそのままアルミホイルに包み直した。
──その時。
「食べないの?」
頭上から聞こえたのは、ソラの声だった。
そう。
どんなに長い夜でも、必ず朝が来るんだ──
昨日、一体自分が何時から何時まで眠ったのか全く記憶になかった。
気がつくと目を閉じて、そのまま意識が遠のく感じがして。
だけどそうやって眠りについても、すぐにどこからか知らない誰かの卑猥な笑い声が聞こえてきた。
あたしは「やめて!」っていう自分の叫び声で目を覚ました。
じっとりと、いやな汗をかいた身体が気持ち悪い。
「……夢?」
ここはあたしの部屋で、笑い声はただの空耳。
疲労と眠気からくる不快感で朦朧とした頭でようやくそれを理解すると、あたしは力なく、また目を閉じた。
昨日は一晩中、そうやって浅く短い眠りを幾度も繰り返した。
このまま終わることがないんじゃないかって思うくらい、
重くて長い夜だった。
あたしは手に持ったままのアルミホイルに包まれたおむすびを開いた。
ママってば、あたしに持たせようと思ってあわてて作ったんだろう。
白いご飯から、真っ赤な梅干が飛び出していた。
しかもこれ、かなり大きいし。
塩がきいた梅干し入りのおむすびをお茶なしに飲み込む自信はなくて、あたしはおむすびをそのままアルミホイルに包み直した。
──その時。
「食べないの?」
頭上から聞こえたのは、ソラの声だった。