ウソ★スキ
「美夕、おはよー」

ソラの声。

声のほうを向くと、そこにはソラひとりだけだった。

「おはよう、キラは?」

「んー、やっぱり今日も歯が痛いんだって」

「そうなんだ……。ソラ、キラのことが心配だよね」

「当たり前じゃん」

何も知らないソラは、無邪気に笑った。


バスに乗ると、今日もやっぱりソラに手を引かれて、

あたしはソラと並んで通路に立った。



……昨日より少し多めにつけた香水。

ソラは気づいてくれているかな?




< 46 / 667 >

この作品をシェア

pagetop