ウソ★スキ
考えたくなかったけれど。
あの掲示板を見た人がこのバスに乗っているかも知れないんだ──


こんな短期間でここまで広まってしまった噂だけれど、

元はキラがメアドを知る友達に、掲示板のURLを知らせたのがきっかけで。

そして、そのうちの誰かが面白がって他の人に教えたせいで、噂がどんどん広がって……。


この騒ぎは確実に、あたしたちの周りから始まって、そこから広がっていったものだ。


それを考えただけで気分が悪くなって、あたしの背中を嫌な汗が流れていった。


そうしているうちに、バスはこれもいつも通り、急カーブに差し掛かった。



「きゃっ!」

考え事をしていたせいで手すりにつかまるのが遅れたあたしは、バランスを崩して後ろへ倒れそうになる。

そんなあたしを、ソラが「危ない!」って腰に手を伸ばして支えてくれた。

「大丈夫?」

「うん、ありがと」

あたしを支えるために、身体をバス後方に向けたソラ。




そのとき後方の座席から、女の声が聞こえてきた。


「あっ、こっち見たよ!」




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