ウソ★スキ
どんなにあたしがイヤだって言っても、今のソラには通じない。

だったら……


「……だったら、せめてあたしを安心させて?」

「え?」

「ちゃんとソラに愛されてるんだって……あたしは間違いなくソラの彼女なんだって……離れていても安心できるような事実が欲しいの」


これから、あたしはなんて馬鹿なことを言おうとしてるんだろう。

でも、あたしはこれ以外に、どうすればこの不安を拭い去ることができるのか分からなくて。


「だから……お願い、ソラ」


あたしは自分の肩に乗せられたソラの手を、上から強く握りしめた。


「あたしのこと、抱いて?」


震えもせず、

言葉に詰まることもせず、


あたしは、ソラの目をじっと見つめてそう言った。



< 499 / 667 >

この作品をシェア

pagetop