ウソ★スキ
なによ。

あたしが「やめて」って言ったときにはなかなかやめてくれなかったくせに、
こんな時だけ、あたしのことを「大事にする」なんてかっこつけちゃって。

ソラはずるい……。


「美夕が玄関で奥さんに言ってくれた言葉、すっげー嬉しかった」

「……」

「先輩が言ってた……キラのことを庇ってくれたっていう話も、多分キラにも聞こえてるはずだ。だから、きっといつか、美夕の気持ちはキラにも通じるから」

「……」

「だから、焦らずにいこう? 今はこの騒動に美夕を巻き込みたくない、それだけなんだ」

「……」

「……美夕、ちゃんと聞いてるか?」


ソラが真面目にあたしを説得しようとすればするほど、あたしは悔しくて。


「毎日出来るだけ連絡する。携帯はつながらないかもしれないけど、パソコンからメールはできるし、家の電話で話をすることも……」


ソラの話が続く中、あたしは小刻みに震える唇をぎゅっと噛みしめた。



「……なんなのよ……もう……」



ソラは、勝手だ。


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