ウソ★スキ
あたしの消えそうな呟きに気付いて、ソラが話を止める。

「え……?」


「……幸せって何? 先輩もソラも、さっきからあたしを守るためとか幸せのためとか……一体、あたしの何を分かってそんなこと言うの?」

顔を上げると、ソラはあたしの言葉に驚いて目を見開いていた。

「ソラに想いが通じてから、確かに辛いって思うことが多いよ? でもこうなったのはあたしにも責任があると思ってるし、何より、ソラと会えなくなること以上に辛いことはないんだから」


一度口に出したらもう止まらなくて。

今度はあたしがソラを掴む番だった。


「人の幸せを勝手に決めないで。あたしの幸せはソラと一緒にいられることなんだから!」 

あたしは何度も何度も、力一杯、ソラの体を揺すりながら叫んだ。

「それなのにどうして一緒にいたらいけないの? あたしが弱いから? キラと違って泣いてばかりだから?」

「そうじゃない!」

「だったらどうして!? ペンションで、あたしのことを絶対守る言ってくれたのはウソだったの!?」

「ウソなわけないだろ!」


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