ウソ★スキ
先輩は、決してカバンを引っ張る力を緩めようとはしなかった。
「先輩、ごめんなさい……あたし……どうしてもソラといたいの……ソラが好きなの!」
その言葉に、あたしのカバンがふわっと軽くなった。
それは、先輩がカバンから手を離したことを意味していた。
──先輩の大きなため息が頭上から降ってくる。
「いくらソラが小さい頃から知ってる相手だって言っても、付き合って何日も経ってないんだよ? 分かってるの? こんな早まったことして、絶対後悔するよ?」
「はい」
「……それでもいいっていうの?」
「はい」
「親や友達……キラも泣くのに?」
「……はい」
「……俺がこんなに『行かないで』って頼んでも、それでもダメなの?」
見上げると、そこには先輩の悲しそうな顔があって。
あたしはすぐに先輩から目をそらした。
「……ごめんなさい、先輩」
他に言える言葉がみつからなくて。
あたしはずっと先輩に頭を下げたまま、ただ、何度も「ごめんなさい」を繰り返した。
「先輩、ごめんなさい……あたし……どうしてもソラといたいの……ソラが好きなの!」
その言葉に、あたしのカバンがふわっと軽くなった。
それは、先輩がカバンから手を離したことを意味していた。
──先輩の大きなため息が頭上から降ってくる。
「いくらソラが小さい頃から知ってる相手だって言っても、付き合って何日も経ってないんだよ? 分かってるの? こんな早まったことして、絶対後悔するよ?」
「はい」
「……それでもいいっていうの?」
「はい」
「親や友達……キラも泣くのに?」
「……はい」
「……俺がこんなに『行かないで』って頼んでも、それでもダメなの?」
見上げると、そこには先輩の悲しそうな顔があって。
あたしはすぐに先輩から目をそらした。
「……ごめんなさい、先輩」
他に言える言葉がみつからなくて。
あたしはずっと先輩に頭を下げたまま、ただ、何度も「ごめんなさい」を繰り返した。