ウソ★スキ
「なあ、美夕。キラだって……いつか……きっと……」

だけど、ソラはその後に続く言葉を飲み込んだ。

「いや……やっぱり、何でもない」


いつかきっと、キラにあたしたちのことを分かってもらえる日が来るって、

ソラはそう言いたかったのかな?


でも、そこで言葉に詰まっちゃうなんて、ソラは正直者だ。

キラはおそらく、あたしのことを一生許してはくれないだろう。


順番が来て自動券売機の前に立ったソラは、あたしに何も聞かずに、迷うことなく切符を2枚買った。

そして、取り出し口に落ちた切符を拾いながら、話題をキラから先輩へと変えた。


「──美夕だって、先輩は? 何も知らずに、今日も学校に迎えに行ってるんじゃない?」

あたしはソラから切符を受け取りながら答えた。

「ううん、さっき会ったの。それで、全部話したんだ」

「……え?」

「はじめはすごく反対されたけど、最後には『元気で』って言ってくれて……」


今度はあたしが言葉に詰まる番だった。


「……それで……先輩ね、ここまであたしを連れて来てくれたの」


「そう……」



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