ウソ★スキ
気がつくとホームには電車を待つ乗客が増えていて、
その人混みをぬうようにして、あたしは自販機の前に辿り着いた。
冷たいお茶のボタンを押すと、ドサッという音とともに勢いよくペットボトルが落ちてくる。
もっとゆっくりでもいいのに……
後ろにスーツ姿のサラリーマンが並んでいることに気付いたあたしは、慌ててお茶を取り出そうとその場に屈んだ。
だけど、その瞬間。
「やだなぁ……もう……」
まるでスローモーションを見ているみたいにゆっくりと、あたしの目から大きな涙の粒が落ちた。
いけない。
ソラがこっちを気にする前に、
早く泣き止んで、
ソラの分の飲み物を買って、
ソラの元に戻らないと──
だけど、ソラは何がいいんだろう。
お茶?
それともコーヒー?
お金を入れた後、あたしの指は自動販売機のボタンの上でピタリと止まってしまった。
あたし、ソラが何を飲みたいのか分からない──
そう思って顔を上げて、ソラが立っている方向に視線を移したときのことだった。
あたしは、驚きのあまり、息をすることさえ忘れてしまった。
あたしの目に映ったもの──
──それは、階段を駆け上がってくるひとつの人影だった。
「キラ……!?」
そう。
それは間違いない。
ソラを探して走るキラの姿だった。
その人混みをぬうようにして、あたしは自販機の前に辿り着いた。
冷たいお茶のボタンを押すと、ドサッという音とともに勢いよくペットボトルが落ちてくる。
もっとゆっくりでもいいのに……
後ろにスーツ姿のサラリーマンが並んでいることに気付いたあたしは、慌ててお茶を取り出そうとその場に屈んだ。
だけど、その瞬間。
「やだなぁ……もう……」
まるでスローモーションを見ているみたいにゆっくりと、あたしの目から大きな涙の粒が落ちた。
いけない。
ソラがこっちを気にする前に、
早く泣き止んで、
ソラの分の飲み物を買って、
ソラの元に戻らないと──
だけど、ソラは何がいいんだろう。
お茶?
それともコーヒー?
お金を入れた後、あたしの指は自動販売機のボタンの上でピタリと止まってしまった。
あたし、ソラが何を飲みたいのか分からない──
そう思って顔を上げて、ソラが立っている方向に視線を移したときのことだった。
あたしは、驚きのあまり、息をすることさえ忘れてしまった。
あたしの目に映ったもの──
──それは、階段を駆け上がってくるひとつの人影だった。
「キラ……!?」
そう。
それは間違いない。
ソラを探して走るキラの姿だった。