ウソ★スキ
プロポーズ
あたしが生まれ育った町の一番端に位置するその駅は、深夜0時を過ぎると電車の往来が完全に途絶え、一気に静寂に包まれる。
そんな駅前の古びた木造アパート。
そこが、大学に入ると同時にあたしが1人暮らしを始めた場所だった。
……早いもので、この部屋に住んでもう4年近くが経とうとしていた。
「高校を卒業したら1人暮らしをしたい」
進学の決まった大学は自宅から通える場所にあった。
それなのに突如そんなことを言い出したあたしに、両親は当然のように猛反対。
あたしの出した条件はこうだった。
家賃や光熱費等の生活に必要なお金はバイトをして自分でやりくりする。
お金が余れば全て学費にあてる。
学費の足りない分だけ、親に頼る。
「お願い、絶対1人でやってみせるから!」
頭を下げ続けてようやく許可をもらえたのは、大学の入学式当日のことだった。
──5年前のあの時、あたしは一度は家を出る決意をした。
高校を辞めて、ソラと2人だけで生きていくつもりで。
結局かなわなかったけれど、あの時の決意は決して半端なものではなかったはず──
だから、その時の思いを無駄にしたくなかった。
いつかソラに再会したとき、胸を張って「あたしは頑張ってるよ」って言える自分でありたかった。
……だけど、気がつくと大学も最後の年。
この就職難では、バイトを見つけるように簡単には正社員として雇ってもらえる会社は見つからなくて。
このまま卒業して、あたしは一体どうするつもりだろう?
この頃、あたしは毎日のように自分の無力さを痛感していた。
そんな駅前の古びた木造アパート。
そこが、大学に入ると同時にあたしが1人暮らしを始めた場所だった。
……早いもので、この部屋に住んでもう4年近くが経とうとしていた。
「高校を卒業したら1人暮らしをしたい」
進学の決まった大学は自宅から通える場所にあった。
それなのに突如そんなことを言い出したあたしに、両親は当然のように猛反対。
あたしの出した条件はこうだった。
家賃や光熱費等の生活に必要なお金はバイトをして自分でやりくりする。
お金が余れば全て学費にあてる。
学費の足りない分だけ、親に頼る。
「お願い、絶対1人でやってみせるから!」
頭を下げ続けてようやく許可をもらえたのは、大学の入学式当日のことだった。
──5年前のあの時、あたしは一度は家を出る決意をした。
高校を辞めて、ソラと2人だけで生きていくつもりで。
結局かなわなかったけれど、あの時の決意は決して半端なものではなかったはず──
だから、その時の思いを無駄にしたくなかった。
いつかソラに再会したとき、胸を張って「あたしは頑張ってるよ」って言える自分でありたかった。
……だけど、気がつくと大学も最後の年。
この就職難では、バイトを見つけるように簡単には正社員として雇ってもらえる会社は見つからなくて。
このまま卒業して、あたしは一体どうするつもりだろう?
この頃、あたしは毎日のように自分の無力さを痛感していた。