ウソ★スキ
あれは……そう。

ちょうどこの部屋で、今先輩が座っているソファに2人で並んで座って、何度目かのキスをしたときのことだった。


それまでも、あたしたちは時々キスするような、
逆に言えば、3年経ってもキスしかしないような、

そんな関係だった。

先輩はいつだって

「美夕ちゃんが本当にソラを忘れるまでは」

って、決してあたしに手を出そうとはしなかった。



……でも、その日は違った。


いつもより長くて艶めいたキスをしながら、先輩の手はあたしの首筋から肩、腕へと下りていった。

驚いて体を強ばらせるあたしに、

先輩はまるで「いい?」って許可を求めるみたいに、穏やかな表情で、ただ首を少しだけ傾げて。


あたしが頷く代わりにぎゅっと目を閉じると、先輩はあたしの両腕をしっかり支えて、あたしをソファの上にゆっくりと横たわらせた。


じっと目を閉じていると、先輩の手があたしの服を潜って、あたしの胸に触れて。


いきなりのことに戸惑いがなかった訳じゃない。

だけど、不思議なことに、怖いとかイヤだとか、そう言う気持ちはなかった。


だからあたしは、先輩が望むのならって……キスされながら、シャツのボタンを外されながら、それを受け入れようとした。


だけど──

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