ウソ★スキ
「美夕ちゃんは、俺といるといつまでもあの双子のことを忘れられないね」
泣きじゃくるあたしの、シャツのボタンを留めながら。
「でも、それじゃいけない。悔しいけど、美夕ちゃんを幸せにできるのは俺じゃなくて、ソラを知らない奴なんだ。……もしくは、ソラ本人か……ね」
一番下のボタンまで留め終えると、先輩は
「よし、終わった」
って優しくあたしの頭を撫でてくれて。
「本当はずっと前から分かってた事なんだ。もっと早く言ってあげるべきだったのに……俺が女々しくて、なかなか美夕ちゃんを解放してあげられなくて、ごめんね」
「……ううん」
そんなことない。
あたしだって。
5年前のあの出来事を全部知ってくれている先輩といるのが、すごく楽で。
そんな先輩に、ずっとずっと甘えていただけなのに……。
先輩の最後の言葉は「ありがとう」だった。
その日を境に、3年続いた先輩とあたしの『恋人のフリ』は終わった。
確かに普通の恋人のような甘い関係ではなかったし、
お互い納得しての別れだったけれど、
それでも嫌いで別れたわけではなかったから、辛かった。
泣きじゃくるあたしの、シャツのボタンを留めながら。
「でも、それじゃいけない。悔しいけど、美夕ちゃんを幸せにできるのは俺じゃなくて、ソラを知らない奴なんだ。……もしくは、ソラ本人か……ね」
一番下のボタンまで留め終えると、先輩は
「よし、終わった」
って優しくあたしの頭を撫でてくれて。
「本当はずっと前から分かってた事なんだ。もっと早く言ってあげるべきだったのに……俺が女々しくて、なかなか美夕ちゃんを解放してあげられなくて、ごめんね」
「……ううん」
そんなことない。
あたしだって。
5年前のあの出来事を全部知ってくれている先輩といるのが、すごく楽で。
そんな先輩に、ずっとずっと甘えていただけなのに……。
先輩の最後の言葉は「ありがとう」だった。
その日を境に、3年続いた先輩とあたしの『恋人のフリ』は終わった。
確かに普通の恋人のような甘い関係ではなかったし、
お互い納得しての別れだったけれど、
それでも嫌いで別れたわけではなかったから、辛かった。