ウソ★スキ
5年前に苑ちゃんの万引きが発覚したとき、先輩は、嫌がる苑ちゃんを無理矢理引っ張って本屋さんに謝りに行った。
そして、正直に謝ったことで、小さい頃から2人をよく知る店長は何もなかったことにしてくれた。
ただ、「その代わり、これからもいっぱい本を買いに来ておくれ」って。
だから先輩は今でも月に何度か、週刊誌や月刊誌を買いに本屋に顔を出している。
苑ちゃんが必要な楽譜を取り寄せるのも、可能な限りこのお店から。
「今度また、コンサートのポスターを持って挨拶に行かないとなぁ」
先輩は濡れタオルを首の後ろに当てながら、嬉しそうに言った。
「……俺が美夕ちゃんのことが気になって仕方なかったのは、どこかで苑と重ねて見ていたからなのかも知れない」
「え?」
「うん。きっとそうだ。……初恋の相手で、しかも妹みたいに可愛い存在。これじゃ俺の中で美夕ちゃんがいつまでも最強なわけだ」
おどけて「参ったなー」なんて笑う先輩は珍しく照れくさそうで、
横で聞いてるあたしまで赤くなってしまった。
そして、正直に謝ったことで、小さい頃から2人をよく知る店長は何もなかったことにしてくれた。
ただ、「その代わり、これからもいっぱい本を買いに来ておくれ」って。
だから先輩は今でも月に何度か、週刊誌や月刊誌を買いに本屋に顔を出している。
苑ちゃんが必要な楽譜を取り寄せるのも、可能な限りこのお店から。
「今度また、コンサートのポスターを持って挨拶に行かないとなぁ」
先輩は濡れタオルを首の後ろに当てながら、嬉しそうに言った。
「……俺が美夕ちゃんのことが気になって仕方なかったのは、どこかで苑と重ねて見ていたからなのかも知れない」
「え?」
「うん。きっとそうだ。……初恋の相手で、しかも妹みたいに可愛い存在。これじゃ俺の中で美夕ちゃんがいつまでも最強なわけだ」
おどけて「参ったなー」なんて笑う先輩は珍しく照れくさそうで、
横で聞いてるあたしまで赤くなってしまった。