ウソ★スキ
「キラ、教室行こう……」

あたしはキラの手を取って、先に立ち上がった。

キラもうつむいたまま、あたしに手を引かれて立ち上がる。


「ねえ、美夕」

「なに?」


「いつもありがとう。あたし、美夕がいなかったら……たぶん…………」

その後は言葉にならなかった。


「うん……」



……ごめんね、キラ。

あたし、

昨日のことがショックで、


少しだけ、キラのことを嫌いになりかけてた。




ホントは、キラが一番辛かったのにね。



「あたし、キラが好きだよ」

あたしは、キラの手をぎゅっと強く握った。



「これからも、ずっと、キラの味方だからね」



その言葉に笑顔を見せてくれたキラ。

その目には、うっすらと涙が浮かんでいた。




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