ウソ★スキ
「心配しないで。いきなり大量の薬を摂取したせいで中毒症状を引き起こしていたのは確かだけど、夜中に何度も吐いていたし、病院に運ばれたときには、体に薬はほとんど残っていなかったみたい。異常がみられた体温や血圧もすぐに回復したって。後遺症もないし──」


──ソラは大丈夫よ。


キラの言葉を聞いて、あたしの体から一気に力が抜けていく。

良かった……

安心したせいか急に足がガクガク震えはじめて、あたしはその場に座り込んだ。


「……良かった……ホントに、良かった……」

あたしがそう呟くたびに、キラも小さく「うん」って相槌を打ってくれた。


「──だけど私が知っているのはそこまで。私の前では誰も、ソラの名前すら出そうとしないの」


しゃがんだままの姿勢でキラを見上げると、キラは哀しそうな表情であたしを見つめていた。


「だから今、ソラがどこでどうしているのか、何も知らない……」

寂しさだけじゃない。

そんなキラの言葉からは、諦めすら感じられた。



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