ウソ★スキ
キラの口調は険しくて。
あたしはキラから目をそらして
「……ごめん」
そう謝るのが精一杯だった。
「『ごめん』じゃ分からないでしょ。どうして本当のことを言ってくれなかったの?」
「……だって」
「だって、何よ!?」
「だって! ……だって、私はひとりぼっちで、しかも昔好きだった人が他の人と結婚するための書類を運びに来ただけだなんて……格好悪いじゃない……。それに、先輩があそこで式を挙げるんだったら、いつか誤解も解けるだろうって、そう思ったのよ……」
無言であたしの話を聞くキラは、溜息さえも鋭く厳しい。
「ねえ。美夕がずっと1人なのは、今でもソラが好きだから?」
「……うん」
「もうあれから5年も経つのよ? それでもまだソラが好きだっていうの?」
「好きだよ!」
今度は、あたしがキラの胸を押し返す番だった。
「まだ5年“しか”経ってない! そんなに簡単に忘れられるくらいなら、あんなに辛い想いをする前にとっくに諦めてた。……あたしはまだソラが好きだよ、文句ある!?」
それからしばらく、玄関にはあたしの泣き声だけが聞こえて。
キラは、腕を組んだまま、泣きじゃくるあたしをじっと見ていた。
……だけど。
「そういうこと、言う相手が違うでしょ」
そう言うと、キラは右手を伸ばしてあたしの胸を軽く突いた。
「……え?」
「ソラの居場所が書いてある。そこに行けば、ソラに会えるから」
キラの手から受け取った小さな紙切れ。
そこには、知らない町の住所が書かれていた。
「お店の名前は、『twin star』って言うの」
あたしはキラから目をそらして
「……ごめん」
そう謝るのが精一杯だった。
「『ごめん』じゃ分からないでしょ。どうして本当のことを言ってくれなかったの?」
「……だって」
「だって、何よ!?」
「だって! ……だって、私はひとりぼっちで、しかも昔好きだった人が他の人と結婚するための書類を運びに来ただけだなんて……格好悪いじゃない……。それに、先輩があそこで式を挙げるんだったら、いつか誤解も解けるだろうって、そう思ったのよ……」
無言であたしの話を聞くキラは、溜息さえも鋭く厳しい。
「ねえ。美夕がずっと1人なのは、今でもソラが好きだから?」
「……うん」
「もうあれから5年も経つのよ? それでもまだソラが好きだっていうの?」
「好きだよ!」
今度は、あたしがキラの胸を押し返す番だった。
「まだ5年“しか”経ってない! そんなに簡単に忘れられるくらいなら、あんなに辛い想いをする前にとっくに諦めてた。……あたしはまだソラが好きだよ、文句ある!?」
それからしばらく、玄関にはあたしの泣き声だけが聞こえて。
キラは、腕を組んだまま、泣きじゃくるあたしをじっと見ていた。
……だけど。
「そういうこと、言う相手が違うでしょ」
そう言うと、キラは右手を伸ばしてあたしの胸を軽く突いた。
「……え?」
「ソラの居場所が書いてある。そこに行けば、ソラに会えるから」
キラの手から受け取った小さな紙切れ。
そこには、知らない町の住所が書かれていた。
「お店の名前は、『twin star』って言うの」