ウソ★スキ
「私も美夕に謝らないといけない。……ごめんね、本当はソラのこと、少しだけ知ってたんだ。だけど、美夕が幸せなら言わないほうがいいと思って、言えなかった」
あたしがメモ用紙に書かれた住所から目を離せずにいる間、穏やかな口調に戻ったキラはいろんなことを話してくれた。
5年前、キラとソラの2人を同じ家には置いておけないと判断した両親が、親戚に散々『キラとソラ、どちらかの面倒を見て欲しい』と頼んだけれど、双子を受け入れてくれる人は1人もいなかったということ。
それを見かねた管理人さん夫婦が、ソラを指名して、引き取ってくれたこと。
そしてペンションを引き払い、見知らぬ土地へ移ったあとは、夫婦で小さな喫茶店を経営しているということ。
「……だけど住んでいる場所までは知らなかったから、大変だったのよ。親の声を真似して親戚とかペンションの管理組合とか、いろんなところに電話かけて探りを入れたり」
キラが思い出し笑いをしながら続ける。
「それでもダメだったから、親の寝室に盗聴器、仕込んじゃった」
「──え!?」
「私は、本当に欲しいモノのためならなんだってやるわよ」
あたしがメモ用紙に書かれた住所から目を離せずにいる間、穏やかな口調に戻ったキラはいろんなことを話してくれた。
5年前、キラとソラの2人を同じ家には置いておけないと判断した両親が、親戚に散々『キラとソラ、どちらかの面倒を見て欲しい』と頼んだけれど、双子を受け入れてくれる人は1人もいなかったということ。
それを見かねた管理人さん夫婦が、ソラを指名して、引き取ってくれたこと。
そしてペンションを引き払い、見知らぬ土地へ移ったあとは、夫婦で小さな喫茶店を経営しているということ。
「……だけど住んでいる場所までは知らなかったから、大変だったのよ。親の声を真似して親戚とかペンションの管理組合とか、いろんなところに電話かけて探りを入れたり」
キラが思い出し笑いをしながら続ける。
「それでもダメだったから、親の寝室に盗聴器、仕込んじゃった」
「──え!?」
「私は、本当に欲しいモノのためならなんだってやるわよ」