ウソ★スキ
盗聴って、立派な犯罪のはずなのに……。

だけどその言葉に動揺しているのはあたしだけ。
キラには全く悪びれる様子がなかった。


「親の話から喫茶店の名前と大体の住所を掴んだら、あとは簡単だったの」

すました顔で、そこから電話番号案内を利用して電話番号だけでなく詳しい住所まで聞き出すことに成功したっていう話を聞かせてくれるキラ。


──そう、キラは昔からこんな感じだった。


何事にも物怖じしないし、

いつだって背筋をぴんと伸ばして、その大きな瞳で前を見据えていて。

時にはその強引さに驚かされることもあったけれど、そんなキラはいつだって、あたしの憧れだった。

キラみたいになりたいって、ずっと、ずっと思ってた。



「キラだって、全然変わってないじゃん」

「当たり前でしょ! 人間、そう簡単には変われないんだから」

「……そういうとこも、キラらしいよね」


あたしたちは思わず目を見合わせて笑ってしまった。


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