ウソ★スキ
愛を告げる
「毎度、ありがとうございましたぁー!」
それから数時間後。
作業を終えたばかりだって言うのに疲れた顔ひとつ見せずに、引っ越し業者は爽やかな笑顔で帰っていった。
あたし1人残された部屋には、まだカーテンもついていない。
そして、床の半分以上は運び込まれた段ボールに占拠されていた。
……窓から見えるのは、見慣れない景色。
だけど、初めて見たときから、不思議とどこか生まれ育った町に似ているような気がしていた。
田舎過ぎず、都会過ぎず。
地元とひとつ大きく違ったのは、遠くに工場の大きな煙突が見えるという点だった。
あたしはまず、分かりやすいように「最初に開封!」と印をつけた一番上の段ボールを開けると、中からカーテンを取り出した。
前の部屋でも使っていたこのカーテンをつけただけで、そこは一気にあたしの部屋らしくなる。
大丈夫。
あたしは必ずこの町を好きになれる。
これから、ここで頑張っていける……
再びカーテンを半分ほど開けると、そこからまぶしい陽の光が差し込んで室内を明るく照らし出した。
あたしは段ボールの山に向き合った。
「よし、片付けよう!」
それから数時間後。
作業を終えたばかりだって言うのに疲れた顔ひとつ見せずに、引っ越し業者は爽やかな笑顔で帰っていった。
あたし1人残された部屋には、まだカーテンもついていない。
そして、床の半分以上は運び込まれた段ボールに占拠されていた。
……窓から見えるのは、見慣れない景色。
だけど、初めて見たときから、不思議とどこか生まれ育った町に似ているような気がしていた。
田舎過ぎず、都会過ぎず。
地元とひとつ大きく違ったのは、遠くに工場の大きな煙突が見えるという点だった。
あたしはまず、分かりやすいように「最初に開封!」と印をつけた一番上の段ボールを開けると、中からカーテンを取り出した。
前の部屋でも使っていたこのカーテンをつけただけで、そこは一気にあたしの部屋らしくなる。
大丈夫。
あたしは必ずこの町を好きになれる。
これから、ここで頑張っていける……
再びカーテンを半分ほど開けると、そこからまぶしい陽の光が差し込んで室内を明るく照らし出した。
あたしは段ボールの山に向き合った。
「よし、片付けよう!」