ウソ★スキ
崩れ始める
翌朝から、ソラは1本早いバスで学校へ行くようになった。


「ホントは私も一緒に行こうって誘われたんだけどね」

キラはそれを断って、こうしてあたしと並んでいつものバスに揺られている。


「もしかして、あたし……ソラに嫌われちゃったかな?」

あたしが苦笑いをすると、

キラは大きく首を横に振ってそれを否定した。

「そんなことはないよ。多分……その逆だと思う」

「え?」

「なんかね、分かるんだ-。双子のカンってやつで」


あたしはそっとキラの横顔を盗み見る。

ソラと同じ、キラの顔を……。


「ソラは今、美夕が気になって仕方ないんだよ。美夕の話題になると、『あー、今意識してる!』って、分かるんだ……」


ソラの様子を思い出しながら、微笑みを浮かべてそう言うキラは、

まだどこか余裕があるように感じた。



そうだよね。

キラには自信があるはずだ。



…………愛されてるのは、自分だって。





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