ウソ★スキ
「……まあ、ね」

あたしは、キラに乾いた笑いを返した。


そういえばあたし、徹先輩のこと、当分思い出してなかった……。


「これが終わったら、私、全力で2人のことを応援するからね!」

キラの言葉は力強くて、なんだか申し訳なく思った。


応援……か。

そんなの、してもらわなくてもいいんだけどな。


でも、この先のことは、またそれから考えればいいや。


「ありがと、キラ」

あたしはとりあえず、キラに社交辞令的なお礼を言った。




……その時だった。

キラの部屋のドアが、ゆっくりと開いた。


そして、


「今の話……どういうこと?」



聞こえてきたのは、冷たくて低い声。

あたしとキラは一斉にドアの方を向いた。




「あ……」

あたしたちは言葉を失った。




そこには、怖い顔をしたソラが立っていた…………。




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