ウソ★スキ
最初は冗談だと思った。


「……なに冗談言ってるの?」


……っていうか、こんな話、本気だなんて思えないよ。


いつも、2人にからかわれてばかりのあたし。

だから今回のことも、いたずらなんだろうって思うのが普通でしょ?



だけど、キラの目にはみるみる涙がたまっていった。


「本気だよ」


キラの目から、大粒の涙が零れ落ちる。


「もう……こんな報われない恋、いい加減やめなきゃいけないって思うんだ……」


「キラ……」


「こんなこと、美夕にしか頼めない……」



あたしだって、そんなこと頼まれても困っちゃうよ。


……だけど、泣いてるキラを前にして、そんなことを言えるわけがなくて。



「もう少し、話を聞かせて?」




あたしたちは、

靴箱にしまった外靴をもう一度履きなおすと、


そのまま学校を後にした。


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