【戦国恋物語】出会いは突然風のように…
けれどねねさまはそれには答えなかった。
話題を変えるように、
「秀政どのには会いましたか?」
と努めて明るくそう言った。
「いえ、会ってません。もうわたしのことなど忘れてしまったのかもしれませんね」
何となく拗ねたような口ぶりになってしまった。
「……でも……」
言いよどむねねさまに、わたしは問いかけるようなまなざしをした。
「でも、何ですか?」
「でも、あなたがこの城に連れて行かれてしまったとご報告申し上げた時には、とても取り乱されてしまって。いつもの穏やかな秀政どのではなくなっていたわ」
「……」
「そなたは、自分で思っている以上に、秀政どのに大切に思われているのですよ」
それを忘れないで。
と、ねねさまは強い口調で言った。
わたしはどう答えていいのか分からず、黙り込んでしまった。
『あなたが思っている以上に大切に思われている』
その言葉がぐるぐる頭を回っていた。
話題を変えるように、
「秀政どのには会いましたか?」
と努めて明るくそう言った。
「いえ、会ってません。もうわたしのことなど忘れてしまったのかもしれませんね」
何となく拗ねたような口ぶりになってしまった。
「……でも……」
言いよどむねねさまに、わたしは問いかけるようなまなざしをした。
「でも、何ですか?」
「でも、あなたがこの城に連れて行かれてしまったとご報告申し上げた時には、とても取り乱されてしまって。いつもの穏やかな秀政どのではなくなっていたわ」
「……」
「そなたは、自分で思っている以上に、秀政どのに大切に思われているのですよ」
それを忘れないで。
と、ねねさまは強い口調で言った。
わたしはどう答えていいのか分からず、黙り込んでしまった。
『あなたが思っている以上に大切に思われている』
その言葉がぐるぐる頭を回っていた。