【戦国恋物語】出会いは突然風のように…
「秀政、会いたかったよ」


「……私もだ」


刹那、秀政の瞳からいろんな感情がほとばしり出て、わたしの胸を打った。


はっとするわたしを見て、秀政をそれをせき止めるようにぎゅっと瞼を閉じると、次に目を開けた時にはその瞳には哀しみしか残っていなかった。


「秀政?」


どうしてそんな眼をするの?


問い掛けようにも、声がうまく出てこない。


どうしていつもみたいに、包み込むようなまなざしをしてくれないんだろう。


今彼はわたしを拒絶している。


そう感じた。


「元気そうで良かった。じゃあ、私はこれで」


そう言って、さっさと立ち去ろうとまでする。


「秀政、待ってよ!せっかく会えたのに……」


彼は向こうを向いたまま立ち止り、

「殿の側室になる方と、いつまでも二人きりでいるわけにはいかないだろう」

と呟いた。


わたしは驚いて、

「そんな噂、嘘だよ!わたし知らないもん。殿の側室になんか、ならないよ!」

と必死の思いで言い募った。


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