【戦国恋物語】出会いは突然風のように…
「殿が荒れておられる。行った方がいい」


その声に顔を戻すと、袂がするりと指から滑り落ちた。


「さよならだ」


秀政が離れて行く。


「いや!」


バチンッ


殿の部屋から今度は誰かを叩く音。


もう限界だ。


「秀政!大好きなんだからねっ!」


わたしは去り行く秀政の背中にそう声を掛けると、急いで信長さまの部屋に向かったのだった。














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