【戦国恋物語】出会いは突然風のように…
二人きりになっても信長さまは寝転がったままだった。
わたしは仕方なく部屋の片付けを始めた。
もう修理できそうにもなく粉々になった茶碗のかけらを片付け、壷を直し、紙を集めた。
障子に開いている穴をいくつか見つけたけど、これは今はどうしようもないのであとで直すことにした。
そうやってこそこそ動いていると、信長さまがむくりと起き上がった。
「おい」
「はいっ」
急に声を掛けられ、わたしは飛び上がった。
「誰と会っていた?」
「ねねさまです」
「ねね?ああ、そう言えば、再三お前に会わせるように頼まれていた」
「久方ぶりにお会い出来たので嬉しかったです」
「何か言っていたか?」
「わたしの思うように生きよ、と言ってくださいました」
「……ふうん。秀政の所へ戻れとか、そういうことは言われなかった……」
「いいえ、そのようなことは。信長さま、気にされていたのですか?」
「いや別に、そんなことは……ただ、ねねは本気で怒ったら怖いからな」
「まあ」
わたしは信長さまの意外な一面を見たような気がして、可笑しくてくすくす笑った。
わたしは仕方なく部屋の片付けを始めた。
もう修理できそうにもなく粉々になった茶碗のかけらを片付け、壷を直し、紙を集めた。
障子に開いている穴をいくつか見つけたけど、これは今はどうしようもないのであとで直すことにした。
そうやってこそこそ動いていると、信長さまがむくりと起き上がった。
「おい」
「はいっ」
急に声を掛けられ、わたしは飛び上がった。
「誰と会っていた?」
「ねねさまです」
「ねね?ああ、そう言えば、再三お前に会わせるように頼まれていた」
「久方ぶりにお会い出来たので嬉しかったです」
「何か言っていたか?」
「わたしの思うように生きよ、と言ってくださいました」
「……ふうん。秀政の所へ戻れとか、そういうことは言われなかった……」
「いいえ、そのようなことは。信長さま、気にされていたのですか?」
「いや別に、そんなことは……ただ、ねねは本気で怒ったら怖いからな」
「まあ」
わたしは信長さまの意外な一面を見たような気がして、可笑しくてくすくす笑った。