【戦国恋物語】出会いは突然風のように…
年明けて間もないその日。
一段と冷え込んだ朝にがたがた震えながら、わたしはようやくの思いで釜に火を付けた。
しばらくして火が起こると、わたしの強張った体もようやくほぐれてきた。
「ふう」と一息ついて、今度は青菜をまな板に乗せた。
献立は変わり映えない。
質素な精進料理だ。
とんとんと小気味よく青菜を刻んでいると、台所に尼さまが顔を出した。
珍しいことだからわたしは驚いて「あれ」と妙な声を出してしまった。
「どうなさったんです?」
「ねえ、迦陵」
尼さまは言いにくそうに切り出した。
「はい?」
「今日は少し出掛けてみない?」
「はあ?」
尼さまが外出するなど、それもめったにないことだった。
「何かあったのですか?」
怪訝に思いながらそう尋ねると、尼さまはまた言いにくそうにした。
一段と冷え込んだ朝にがたがた震えながら、わたしはようやくの思いで釜に火を付けた。
しばらくして火が起こると、わたしの強張った体もようやくほぐれてきた。
「ふう」と一息ついて、今度は青菜をまな板に乗せた。
献立は変わり映えない。
質素な精進料理だ。
とんとんと小気味よく青菜を刻んでいると、台所に尼さまが顔を出した。
珍しいことだからわたしは驚いて「あれ」と妙な声を出してしまった。
「どうなさったんです?」
「ねえ、迦陵」
尼さまは言いにくそうに切り出した。
「はい?」
「今日は少し出掛けてみない?」
「はあ?」
尼さまが外出するなど、それもめったにないことだった。
「何かあったのですか?」
怪訝に思いながらそう尋ねると、尼さまはまた言いにくそうにした。