【戦国恋物語】出会いは突然風のように…
秀政を探して廊下を行くと、庭に面した縁側に彼が座り込んでいるのを見つけた。


何やら足元の雪をすくっては、雪玉にして投げている。


見れば、足元の雪はだいぶ少なくなっていた。


「秀政」


呼ぶと、雪玉を投げようとした手を止め、こちらを見た。


「隣、いいか?」


「……ああ」


わたしがストンと隣に座ると、

「京の雪も当分見納めだな」

と秀政が呟いた。


「うん……」


「お前とも今度いつ会えるか分からないけど……」


「秀政?」


「お前はここで、お前のしたいことをするといい。お前がそうすることで幸せでいられるなら、私はそれでいいから」


たまらず、わたしは秀政に抱き着いた。


「迦陵?」


「秀政はいつもそうやってわたしのことばかり考えてくれる。だから、今度はわたしが秀政のことを考えたい」


「……」


< 200 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop