【戦国恋物語】出会いは突然風のように…
秀政は、主の命で、足利将軍家の屋敷を改修する任に当たっていたのだという。


そのために京に滞在していたのだ。


話を聞いた当初、足利も将軍家の意味すらも知らなかったわたしは、尼さまの根気よい説明で、このクニが誰を頂点とし、どのような仕組みで成り立っているのかを次第に理解していった。


わたしが生まれたころには、戦乱で京が乱れたことも知った。


わたしの親は、その戦乱で命を落としたのかもしれないと、尼さまが申し訳なさそうな顔をして言った。


なんで尼さまが申し訳なさそうにするのか分からなかったけれど、そう聞いても わたしの感情はカケラも動かなかった。


わたしには親なんていないんだから。


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