俺色〜ある草食系男子の日々

「俺のことは・・・・」



いいんだよ、と言いかけて、急に涙があふれてくるのを感じた。



理性ではコントロールとうていできそうにない涙。



「あれ?あれ?」



そういいながら眼鏡を少し上げて涙を手の甲で拭う俺の目に、



ふっと差し出されたハンカチ。



それをたどるとひなたが優しく少し笑ってた。



「ほらね・・・・」



まただ。



この風景、そういえば小さい時によく見たっけ。



ひなたの手を借りたくなくて、一人逆上がりの練習をしてる時に、


急激に暗くなってくる夕闇に、なんだか急に自分一人ぼっちになっていくような気がしてうずくまっていたあの公園で。


探しに来たひなたの声を聞いたとたんに泣いてしまった俺。



たしかあの時も、こうやって・・・・・・



「無理しなくていいんだよ」



って・・・・・。





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