俺色〜ある草食系男子の日々
遠い背中
・・・
病院の外に出ると、
いつの間にか空は暗くその色を変えていた。
「雨、降りそうだね…」
隣でひなたが誰に言うともなしに小さくつぶやいた。
そうか。これは雨のにおいだ…。
「ここでいいよ。きぃちゃんは陽斗くんについててあげて」
のろのろと顔を横に向けると、笑みを少しうかべた彼女と目があった。
「……無理…だよ」