俺色〜ある草食系男子の日々

そして・・・・



「きぃちゃん、電車混んでなかった?」



「ん?あぁ、そういえば・・・」


「でしょう?今日隣の町で大きなお祭りがあるから」


「あぁ、それでか」




って・・・



だぁぁぁ~~~!


なんだこの展開。


そしてこの会話。



コンビニの明かりの下でしゃべる俺らは、全く昔のままだった。



ちょっと待て。ちょっと・・・。



「お前やっぱりここに住んでんの?」



そう言った俺に、急に表情をこわばらせて黙ったひなた。



いや、その反応遅いですから。


とは、思うものの、さすがに本人にそう軽く言える雰囲気、じゃないな確かに。



・・・ぐぅぅぅぅっ。



げっ。



「きぃちゃん、もしかして・・・お腹へってんの?」


「そんなことねぇよっ」


「だってそれ・・・」



そういって彼女は俺の手に下げられたコンビニの袋を指差した。


「それ、これから食べるつもり、だったんじゃないの?」






なんとなく気恥ずかして、首だけ小さく縦にふった。








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