俺色〜ある草食系男子の日々
「きっとゆぅさん、私がプライベートで悩んでるのわかってたんだと思う。これ、あげるよ。ってもらったの。聞きなさい、って意味かなって思って・・・」
それはもしかして。
「陽斗くんの曲を聞いたのは初めてだったけど、すごく感動したんだ・・・」
「・・・うん」
「実はね・・・赤ちゃんを産もう、って決めたのも陽斗くんの曲のおかげかもしれない」
「・・・・・・?」
「それはっ・・・それはどうでもいいけど、陽斗くんを今支えてあげられるのはきっときぃちゃんしかいないと思うから」
俺は、思わず目をそむけ、再び玄関のドアを見つめた。
「陽菜ちゃんが記憶をなくしてるのも、きっと試されてるのかもしれない。その恋愛が本物なのかどうか」
「試す?なんのために?・・・・あいつをあんなに苦しましてまで?」