俺色〜ある草食系男子の日々
「陽菜ちゃんもきっと苦しんでる」
「え?・・・・」
「きっと・・・・陽菜ちゃんは苦しんでるよ。好きな人の記憶がなくなって・・・その彼が自分の知らない間に遠く離れてしまうんだよ」
「それを言うなら、陽斗もだろ?好きなのに、離れなきゃならない・・・って」
それはそのままあの時の俺の気持ち。
俺たちの気持ち。
俺はドアノブに手をかけて最後に聞いた。
「ひなた・・・お前今でも美馬さんのこと・・・・・・?」
振り返ってみると、ひなたは「さぁどうだろ」って首を傾げて見せてから、
にこっと笑って俺を見つめた。
ひなた・・・好きだよ。
けど、やっぱりわかんねぇんだ。
恋愛ってなんだよ。
好きになっても・・・離れてってしまう。
けど・・・
けど、言わずにはいられないよ、ひなた。