俺色〜ある草食系男子の日々
「ひなた・・・」
かすれた声で彼女の名前を呼ぶと、じっと俺を見つめたひなたはぽつりと口に出した。
「私・・・美馬さんのことが今でも好き、だよ」
「は?」
胸にぐさりと差し込む痛み。
はは・・・
告白さえもう無理ってことか。
「じゃぁ・・・な」
「きぃちゃん!・・・陽斗くんと一緒に行くんでしょ?アメリカ」
「う~~ん。まだ正直迷ってるけど、多分そうすると思う」
「そっか」
そうして一瞬うつむいたひなたは俺の肩をバシーンと叩いた。
「いてっ・・・・何すんだよ!?」
「うん。それでこそ喜三郎だ」
「は!?わけわかんねーし」
ひなたは笑いながら言うんだ。
「陽斗くんのこと、支えてあげるんだよ」
って。
俺はいつまで、
いつまでお前の背中を見つめなきゃなんねぇんだよ?
苦しいよ、ひなた。