俺色〜ある草食系男子の日々
俺の道
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「何、また聴いてんの?」
振り返ると、呆れたような顔をした陽斗がいて、
俺はヘッドホンを外して、テーブルに置いた。
「またあのCDか?お前聴きすぎだって」
「曲が好きなだけだよ。しかも、それが俺の仕事だろ?俺haruのファン・・・2号だし」
1号と言いかけて、写真立てのゆぅさんと目が合い、あわてて言い直した。
「はっ、どんだけharuが好きなんだよ」
ボスッとソファに座り込んだ陽斗の表情はわからないけど、
俺はただだまってパソコンを閉じた。
ここアメリカに来て約2年。
陽斗は曲ができなくて苦しんでいた。
理由は・・・・・・分かるけど、周りにいる俺たちはただ見守るしか出来ない。
ただ、実際アーティストとしてのharuへの風当たりが、日本の会社でも強くなってきてるらしいのは、ちょくちょく届く本社からのメールで感じることが多くなった。