俺色〜ある草食系男子の日々

会社の中には、アーディスと用の個別スタジオがいくつかあって。



驚いたことにその中のひとつがあの陽斗に振り当ててあるって事を聞いた。



まじで!?



あのムスッとしたガキ用に?



「お!喜三郎。元気か?」



スタジオの中の本格的な設備にあたりを見回してると、かけられたのはゆぅさんの言葉で。



「あ、ゆ・・・じゃなくて、柚木副社長。おはようございます。え~このたびは私を」



採用していただいてありがとうございます、



なんて、この前まで新人研修で叩き込まれた言葉を並べてる俺に、



ゆぅさんは、ぷっと笑って、



「ゆぅさんでいいよ。な、喜三郎」


なんだろう。


ゆぅさんに喜三郎、って呼ばれても嫌な気がしないんだ。


家族のほかにこんな気分になれるのなんて、ひなた以来だ。



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