俺色〜ある草食系男子の日々
「喜三郎、また振られたって?」
ひなたがメニューを覗き込みながらニヤニヤして俺を見る。
「だから、名前を言うな、って言ってんだろ?」
紺野喜三郎。
芸名みたいだろ?
親父が喜郎。婿養子の親父が生まれた三兄弟にせめてもと、と思ったのかはわからないけど、つけた名前が・・・・・・ま、そういうこと。
俺は順当に三人兄弟の三番目。喜三郎。
小さい頃からどれだけこの名前でからかわれてきたことか。
けど、
俺は隣で飲み物をオーダーしているひなたをちらっと見た。