俺色〜ある草食系男子の日々
てっきり長い間かかると覚悟してたけど、
万が一、てか、もうすこし確率高く、会社が陽斗というアーティストを見限ってしまわないか、って少し心配してたのに、
翌日、社長から電話があった。
陽斗が来てるって。
急いで向かったスタジオの中には、
「おせーよ、紺野」
ってあんなにパシパシの金色の髪だったのが、
真っ黒、とはいかなくても茶色になってる陽斗が、
ぼそっとつぶやいたんだ。
きっと社長はそういう風に見えなかったけど、
心配してたんだろうな、
ほっとした表情で、
「これからも。。。陽斗をよろしくな」
って言ったんだ。