俺色〜ある草食系男子の日々

街の喧騒からはなれていくごとに、



ひなたの息遣いが耳に生々しく響いて、



この選択ミスったかも。



なんて、健全な男子の俺は正直そう思った。




「・・・・・・・ね」



え?



何か言ってる?



耳を澄ませば、寝言らしい彼女の声がかすかに聞こえた。



「ごめんね・・・」



ひなた?




気がつくと、俺の肩に少し冷たい感触が残る。



見ると、彼女の閉じた目から涙が流れていた。






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