俺色〜ある草食系男子の日々
「美馬さん・・・・」
いつの間にか起きた彼女が、目の前の男に声をかけ
俺の背中から降りた。
少しふらつくその体を支えようとした時に、
ぱっと伸びてきたスーツの手に、
簡単に彼女の体を奪われてしまった。
「ひなた、ごめん。もう全部大丈夫だから?」
「ちょっと、やめて。もう話は終わったはずでしょ?」
全然話が見えない。
これが修羅場、ってやつ?
ただ、わかるのは、ひなたが嫌がってると言うこと。
それなら話は簡単だ。
「やめろよ」
ひなたの肩を掴んでる男の体を思い切り押すと、
男はびっくりしたように、俺を見た。
「誰だよ」
瞬間、ひなたが俺の腕にぎゅっと手をからめて言ったんだ。
「私の彼氏だよ。言ったでしょ?好きな人ができたって」
今度は俺が驚く番。
けど、俺の腕にふれるひなたの体は少し震えてて、
俺はわけわかんないけど、男に言ったんだ。
「俺の女に手を出すな」