俺色〜ある草食系男子の日々
「紺野さ・・・女いんの?」
ハルがたずねる質問に、俺はただ笑って答えた。
「ま、ぼちぼちかな」
「なんだよ、それ」
ひなたがいなくなってから、俺に何もなかったわけでもない。
それは本当のことだ。
だけど、学生時代に戻ったかのように、ただ女の子が俺の上を通り過ぎていくだけ。
しかも、ここ最近は仕事も忙しくなってきてそれどころではないし。
「草食系・・・・」
「え?」
「ひなたがそう言ってたよな」
ハルが皿の枝豆をつつきながら、くすっと笑った。
再び言葉を俺に、さっきから珍しく黙ったままの潤平が声をかけた。
「な、紺野。実はな・・・」