俺色〜ある草食系男子の日々
その時鳴った携帯の着信音に、
俺は正直救われた気がした。
これは、仕事用の方だ。
「もしもし?」
「あ、紺野さん?」
「お、カズマ?」
カズマが携帯にかけてくるなんてめずらしいな。
しかも、あいつらしくない急いだ声。
「陽斗が撮られた。写真」
「は?」
反射的に手を挙げタクシーをつかまえた俺は急いで会社へと戻る。
ごめんな。
俺、まだお前に会ってもどうしていいのか、
自分の気持ちがどこにあるのか、
全然わかってなかったんだ。