俺色〜ある草食系男子の日々

陽菜ちゃんが、眠り続けて数日が過ぎた。



ずっと付き添っている社長の奥さんも、カズマも陽斗も、



誰も言葉をほとんど発しない。



皆、うつむいてただ、祈ってた。



そんな中。



看護師さんが、「お見舞いの方こられたんですけど・・・」



と小さな声で俺に告げた。



誰だろ?



今は、どちらにしても面会謝絶のじょうたいだから、見舞いは断ってるはずだけど・

「どなたですか?」



一応名前を聞く。



「えっと・・・・・・・」



困ったように上を向いて名前を思い出そうとする看護師さんの後ろから見えた人影。




お前・・・・・・・。



思わず息を呑んだ。



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