その日、僕は神になった
『カムイって奴が扉の前に来ているんだ。誰だか教えてくれないか』
 カムイ…、レイチェルの動揺した声が脳内に響き、僕は嫌な予感に襲われた。
『カムイ、彼は神、あなたと共に六代目神として候補に上がっていた者です。神、気を付けて下さい。彼はあなたに恨みを抱いている可能性があります。自分が神に選ばれなかった恨みを…。もしあなたが不自然な言動を取れば、そこから記憶を失っていることに感づかれる恐れがあります。そうなれば面倒なことになります、くれぐれもお気を付けください』
 何をどう気を付けろと言うのだ?無理な注文にも程がある。
『それならば今すぐに来てくれよ。で、どうにかフォローしてくれよ』
『申し訳ありません、今どうしても手を放すことが出来ない状態でして…。終わり次第すぐに参りますので、それまでどうにか誤魔化してください』
 何とも使えない秘書だ!何のための秘書だ!僕はそう毒づきながらも、仕方なく決心した。
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