その日、僕は神になった
 神の中で何かが起こっている。憶測は今日、確信へと変わった。音楽の趣味もそうだがもう一つ、机の上に置かれた本だ。『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』村上春樹の作品だ。彼の以前の好みからは想像もつかない。彼の好みは村山由佳のような作品だった。確か彼女には、作風以外にも何か縁があると言っていたが、その内容までは覚えていない。いずれにしろ、村上春樹と村山由佳では、作風が百八十度異なると言っても過言ではない。
 チャンスだ。神に起きた何かを突き止められれば、奴をその座から引き下ろし、私がその椅子を得ることが出来る…。
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